パソコンへの意識 日本と韓国の違い

子どもの80%がパソコンを使うとの調査結果に驚いた人も多いかと思う。 いよいよ総合的な学習が本導入され、小中学生が学校でもパソコンを使い始めた。 サッカーワールドカップの共催をきっかけに何かと話題の韓国ではどうなのだろうか。 教育とパソコンの関わりについて覗いてみた。

韓国ではブロードバンドは当たり前

ご存知のように韓国ではブロードバンドが広く普及しており、日本の少し先を行っている。 家庭での常時接続はもちろんで、 ある調査では小学生の40%余りがインターネットを毎日使っているという。 また、特徴的なのはPCバン(インターネットカフェ)の存在である。 PCバンは非常に安価で利用できるので、友達と学校帰りに寄る子どもも少なくない。 彼らは、そこでゲームやチャットを楽しむ。 韓国でゲームというと、 日本のようにテレビゲームではなくオンラインゲームを指すことのほうが多いという。

教育熱は日本以上

「日本は教育熱心」と諸外国から言われることは多いが、韓国はそれを上回るようだ。 小学生はおろか幼稚園児の大半は、何らかの習い事をしている。 英語教育に力を入れる幼稚園は倍率が高くて入れないなど、 理解し難い話もある。

となると当然注目されるのが、インターネット上の教育サイトである。 韓国ではサイバー幼稚園、塾に相当する学習サイト、ネット予備校など、 年齢ごとの有料教育サイトが充実している。 これは、パソコンを活用しようというよりは、 教育熱心な親がいかにコストをかけずに習い事をさせるかという背景によるものだ。

日本でもそのようなサイトはある。 しかし、韓国のように子ども向けの塾を経営する会社などが、特に力を入れているというわけではない。 ブロードバンドや常時接続がまだそれほど普及していないこと、 韓国ほど塾や習い事にかかる費用が問題となっていないことが理由としてあげられる。 それよりも日本の学習サイトでは、エンターテイメント性が強調されているように思う。 キャラクターや動画を駆使したエデュテイメントサイトは、 楽しく勉強しながらパソコンを使わせようという意図を持っている。

パソコンを使うことへの感覚

「道具としてパソコンを使う」ということで、 教育現場では頭を悩まされている方も多いと思う。 パソコン→インターネット→調べもの とついつい考えてしまう筆者は、頭が固いらしい。 使わなければいけない、覚えなければいけないという感覚を捨てなければ上手くいかないように思う。 最初は覚えることばかりかもしれないが、 子どもは徐々に便利な道具だという感覚を掴んでいけるだろう。 それよりも大人が教えるのに熱心になるあまり、 パソコンを使いこなすこと自体が新たな必須科目のようになり、 子ども達の負担とならないよう注意すべきであろう。

ゲームからパソコンに入った韓国の子ども達は、確かに道具としてパソコンを使い始めた。 ゲームが素晴らしいとは言いきれないが、自然にパソコンを利用するようになったという点から見れば成功だろう。 韓国の小学生に、インターネットを利用する際不便に感じている点を聞いたところ、 「外国語や難しい用語が多い」、「接続不良」、「子ども用サイトが少ない」などの答えがあったそうだ。 この結果を見る限り、インターネット利用の浸透が確かに感じられる。

最後にエピソードを一つ。習い事で忙しい韓国の子ども達。 習い事をさせている当の親達が危惧を抱き、最近では「遊び」の家庭教師がつくこともあるという。。。 良いことばかりと言うわけではないが、韓国の勢いを感じずにはいられない。