指紋認証で解決することしないこと

パソコンのおかげで年賀状書きはとても楽になった。 パソコンで作ったものは味気なく手書きが一番という記事を見かけたりもしたが、 私の場合住所を書くことにエネルギーを費やさない分、手書きの「一言」が以前より充実したように思う。

充実しているといえば、いまやインターネット上のサービスはさまざまである。 旅行や航空券などの予約は、おかげで楽になったことの一つだが、 今一つ楽にならないというよりストレスになるのがパスワード認証である。

記憶の限界

ほとんどのサイトは、 IDとパスワードによって本人であることを認証した後、サービスが利用可能となる。 セキュリティを考慮し、単純なものや他で使っているものを避けるなど優等生(?)のパスワード設定をすると、 必ずといっていいほど忘れてしまう。 リマインド機能で質問を自分で用意しておいても、その答えをやはり忘れる。 パスワードどころかIDを無くしたりもする。

私は、会社のパソコンやサーバのパスワード、銀行や郵便局の暗証番号など、 もっと重要なものを覚えているので精一杯なのだ。 それは個人の見解としても、おそらく誰にでも限界はあるのではないだろうか。

生まれながらにして持っているパスワード

IDとパスワードによる認証は、その人しか知り得ない秘密情報を用いた「記憶方式」の一つと言える。 これは手軽である反面、上述のように忘れる可能性が大きい。 一方その心配がないのが、その人しか持ち得ない身体的特徴情報を用いた方式である。 これを「バイオメトリクス方式」などと呼ぶ。

個々人にユニークな身体的特徴として真っ先に思いつくのは指紋であろう。 その他にも声の特徴である声紋、黒目の特徴である虹彩、顔の特徴、 手の静脈パターンなど驚くほどたくさんのものがあげられる。 これらは、パスワードを覚えなくていいので楽であるほかに、 セキュリティ面で強固であるとか、身体的障害を持つ人にもうまく利用してもらえる場合があるなど、 さまざまな点で有効とされている。

イメージも大切

どれも試してみたいと思うが、 導入コストやシステムの規模などから考えて最も手の届きやすいのは指紋認証だ。 専用の入力デバイスとソフトウェアがセットになったものは、個人ユーザ向けにも売り出されている。 入力デバイスには、 マウス一体型パソコン搭載型 もある。 しかし、試しに買ってみるにはもう少し値段が下がってほしいところだろうか。

以前、 パソコンに向かって喋るのは不自然ではないかと言った内容のこと を書いたことがある。 易しい難しいのほかに、人がそれを使う時どう感じるかも重要だ。 静脈パターンなんて聞いただけで気持ち悪くなる人もいる。 指紋をとられるなんて犯罪者みたいでちょっといい感じがしない。と言った知り合いもいる。 とはいえ、指紋認証は技術も成熟しており、導入の容易さやセキュリティ面を考えても今後増えていくだろう。

私はというとタッチパネルとどうも相性が悪く、 最近増えたJRの自動券売機に一度で「ピッ」と言わせたことがない。 タッチパネルと指紋認証では仕組みが違うので関係ないと思うのだが、なんとなく。。