預けて引き出す?or持ち歩く?

預けておいて必要な時に引き出すか、あるいは常に自分で持ち歩くか、 と言ってもお金の話ではなく情報の話である。

あなたは普段、どんな情報を身につけて持ち歩いているだろうか? そして、どんな情報をネットワーク上に託しているだろうか?
おそらく大半の人が、自分のスケジュールやアドレス帳などの個人的かつ 重要な情報を持ち歩き、それ以外のあまり重要でない情報は必要な時に
取り寄せるという使い分けをしているだろう。

モバイル端末の性能向上、モバイル通信環境の品質向上にともなって、 この境界線がどのように変わっていくのか考えてみたい。

モバイル端末の性能向上

情報を常に持ち歩くには、何らかのモバイル端末が必要になる。 最近のモバイル端末の記憶容量は留まることなく増え続けている。
厚さ9.5mmのハードディスクで20GBの記憶容量を持つものから、 1GBのマイクロドライブPCカード型の2GBハードディスクと いったリムーバブルタイプまで、大容量のハードディスクが登場している。

また低消費電力が売りのCPU“Crusoe”を搭載した端末も発表された。 これで、リチウムイオンポリマー電池が安価に実用化されれば、
小型軽量で何日も充電せずに使い続けられるノートPCも夢ではないだろう。

こんなモバイル端末が登場すれば、どんな情報でも常に持ち歩けるように なる、持ち歩きたくなるに違いない。

しかし、情報を持ち歩く時に忘れてはならないことがある。 それは、必要とする情報すべてを事前に集めておくことは不可能だし、
情報は保存した時点で古くなる(最新のものでなくなる)ということだ。

モバイル通信環境の品質向上

一方、PHSや携帯電話によるモバイル通信環境も、すさまじい速さで 品質向上が進んでいる。通信スピードの高速化や通信エリアの拡大と
いった通信環境自体に加えて、いわゆるストレージサービスも 各所で始まっている(「PCからハードディスクが消える日」参照)。 最近では携帯電話から個人のスケジュールやアドレス帳までサーバ上で管理できるように なっている。
来年にはW-CDMAやcdma2000などの更なる高速通信環境が利用できる。
そうなれば最新の一次情報を瞬時に手に入れられるようになるかもしれない。

このようなサービスを含めた通信環境が総合的に整備されれば、 ネットワーク上にすべての情報を託しておき、必要な時に取り出す
ことも現実味を帯びてくる。

しかし、通信環境が常に利用できる(サーバにつながる)とは限らないし、
いくら通信スピードが高速化しても、通信時間と通信料はゼロにはならない。

“情報銀行”が当たり前?

必要な情報を常に自分の手元に置いておくか、あるいはネットワーク上に
預けておくか、結局は個人の使い勝手や考え方によって決まる問題なのかもしれない。
また、その情報の質や素性によって、必然的にどちらかに決まってしまう ケースもある。

ただし最近の傾向では、やや通信環境に依存する割合が多くなりつつあるようだ。
今後の通信環境の発展を見る限りでは、ますますこの傾向が強まるように
思われる。だが安心感という点では、まだまだ端末側に分がある。

さて、情報をお金のように預けて引き出せる”情報銀行”が当たり前の時代は、やって来るだろうか?