コネクティド図書館

今年の夏に NYPL

(ニューヨーク公立図書館)に行く機会があった。 NYPLは、各地域に分館を置く サービス体制をとりながら、 街の中心街に、人文社会、アートや文化、科学産業など ある目的に特化させた館を展開している。 もちろん 視覚や身体障害者のための図書館もある。

目的指向のサービス館の中でも、 SIBL(Science, Industry and Business Library)は、 名前どおり科学技術産業について特にビジネスマンのために サービスを行う図書館であり、大変な盛況ぶりである。

SIBLの入口を入ると、インフォメーションカウンターとともに さまざまなガイドを行うインフォメーション・キオスクの タッチモニターが並んでいる。
ガイドは、英語とスペイン語の両方が 用意されており、非常に考えられた以下の8つのメニュー構成から 情報アクセスが可能となっている。
●Getting Around:「コピー機はここ」などといった、いわゆる館内ガイドである
●The Story of SIBL:SIBLができるまでの話と、利用している建物の歴史の説明を行っている
●Resources and Services:蔵書検索や特許検索ばかりでなく、提供しているサービスの紹介もある
●Reserve a Workstation:備え付けのコンピュータ環境を利用するための予約を常時受け付けている
●Classes:セミナー、ワークショップなどのレクチャーについて紹介している
●Events:年間カレンダーから、SIBLに関連する各種イベント情報を見ることができる
●Suggestions:「こんなこともできます」といった館側からの提案型で利用メニューが紹介される
●Opinion Poll:利用調査で、質問は目的の種類からスタッフのサービス採点にまでに及ぶ

予約による時間貸出のコンピュータ環境

閲覧席には電源も備えられ各自のノートパソコンなどが利用できる

キオスクガイドのOpinion Pollの一コマ

ショーケースが置かれ、図書館が本物の「本」を見せるギャラリー機能を持った

SIBLではなくNYPL中央館にあったSuggestionsのペーパー版

日本ではどうか

といえば、 福岡市立総合図書館のように、通常の図書館に、 古文書と映像部門(シアターを併設)を組み合わせ、 従来の枠にとらわれない図書館を目指した取り組みも行われている。

「メディアテークがめざすもの」というセミナーが 11月29日に東京デザインセンター(東京・東五反田)で開かれる。 仙台市で現在開館準備が進められている 「せんだいメディアテーク」 の建物や事業のコンセプトを紹介しながら、 「メディアテーク」が「21世紀の生涯学習施設のスタンダード」に なっていくと言われる本質が議論される予定である。


図書館がインターネット接続

しはじめている。公共図書館ばかりでなく、学校図書館にもその波は押し寄せてきた。 図書館は、利用者個人、他の図書館同士、さまざまなデータベースに つながることで、情報アクセスの中継役としてますます重要な社会インフラとなる。



参照リンク

NYPL(ニューヨーク公立図書館)

NYPL:SIBL (Science, Industry and Business Library)

福岡市立総合図書館

セミナー「メディアテークがめざすもの」

せんだいメディアテーク

どうなるの?これからの図書館
(Take IT Easy 1999.03.30号)