今回は、ICT関連の仕事に英語力は必要かというテーマについて考えてみたい。
日常生活では、日本政府が推し進める観光立国の言葉通り、2014年には約1,341万人もの訪日外客数に達し、街でも多くの外国人の方を目にしている。
一方仕事では、私自身は現在まで国内企業に向け主にIT関連の仕事に従事してきたが、外国人の方と協働する事は多くなく、英語に触れる機会は海外サービス・製品の情報収集が主で数えるほどである。
そこで、統計データや事例などから当テーマについて探ってみることとする。
現状の理解
また、世界トップ500社の中でも他業種に比較しICT関連分野は著しく成長している。
では、インターネットにおける利用言語はどうであろうか。母国語としては、中国語、英語、ヒンズー語、スペイン語といった順位となるが、インターネット上では英語と中国語が圧倒的シェアを誇る。
但し、中国語に関しては、利用エリアが人口の多い中国本土と限定的であり、実質的には英語がスタンダードとなっている。
世界的にみる通り、ICT分野は今後も拡大を続けていくという事は日本においても同様であるが、遅れを取りつつある状況と言える。一方、セキュリティ等を含む技術情報や最新情報の多くは、インターネット上を英語で媒介されており、競争という点では必要不可欠なコミュニケーションスキルであると言える。
次に、人口が高齢化、減少傾向にある日本において、外国人労働者の受け入れ状況をみてみたい。
外国人労働者数は年々増加傾向にあり、平成26年10月末は前年同期比で9.8%増加しているが、情報通信業に従事するものは全体の4%に留まっている。
日本のICT労働者不足を補うには、更なる効率化を進め、外国人労働者を受け入れるべきと考えられるが、上手く高度人材の外国人労働者を受け入れられていない事が分かる。
その様な中でも、海外進出計画と同時に社内公用語を英語化している企業が出てきた。つい先日にはホンダが社内の英語公用語化を発表したが、数年前にメディアで話題になった楽天やファーストリテイリングが有名である。なお、楽天においては、エンジニアの約7割が外国人という採用の変化も起こっている。
日本企業の海外進出増加傾向である以上、ビジネスと共にICT分野も海外進出が増加するのは容易に想像が付く。更に、社内公用語を英語としたり英語教育に対する補助制度を充実させている企業も増加しており、グローバリゼーションの中ではM&Aの影響等も考えると英語が必然となる可能性は大きいであろう。
まとめ
- 世界的に見てもICT関連は今後成長分野
- ICT分野の情報の多くは英語で媒介
- そのような中、日本はICT分野の成長と人材不足が課題
- 海外進出に伴い日本企業の労働環境も変化
無論、このテーマについてはICTという中の分野別や、個々の企業によっても賛否両論あると考えられる。しかし、世界規模でのICT市場拡大は日本も例外では無く、国内市場規模の限界と成長鈍化の我が国にとって、海外進出や国内流入というグローバリゼーションの波は確実に大きなものとなっている。
この様に見ると日本のICT労働者は、昨今のIoTやBig Dataという本業のテーマのみではなく、世界ICT市場のグローバルスタンダードなコミュニケーションツールである英語力の強化は必要であろう。
英語を簡単に学べる時代
インターネットの普及により従来に比べ時間や場所の制約を受けず且つ低コストで学習できる環境が整っている。
世界的にEdTech(Education×Technology)という動きがあるのでご紹介したい。従来より学習においては、個々人のレベルの違いによる最適化、および継続性という課題がある。前者への対応としてはアダプティブラーニングという考え方に基づき、個人の学習進捗状況や弱点に応じ自動で最適なプログラムを提供してくれる。後者への対応としては、ゲーミフィケーションやソーシャルラーニングという考え方に基づき、学習の中にゲーム性や学習者同士のコミュニケーションを促し、継続性を補完してくれる。
また、提供するポータルとして、MOOCs(大学の講義を無料で受講)やUdemy(個人作成コンテンツの提供)などがある。
Skypeを使ったサービス等、従来より英語学習のコンテンツは豊富に存在する。
Speaking/Listening/Writing/Readingと4つの要素などを考慮し自分の目的に適したサービスを選択し学習してみてはどうか。