ロングテールから行動反映型へ

オンラインショッピングでは、売れ筋だけではなく、幅広いユーザに対してロングテールも狙えというようなことが言われている。しかし、在庫をたくさんを抱える必要もあり、必ずしもいいことばかりでない。例えば、Amazonが成功していると言われるものの、実は粗利率(Gross
Margin)は22%程度で、売上に対する営業利益率も3~4%程度と既存の流通大手企業と同程度だ。そうした中、引合に対応するロングテールだけではなく、より積極的に売っていくための新たな販売方法も実践されている。

グルーポンが大流行中

消費者としては安く買いたい。しかし、販売する側としては単純に値引きすることには抵抗がある。そうした中、一定の量を確実に買ってもらえて、かつ、制限した数で販売できる方式である共同購入型クーポンが流行っている。米国GROUPON社の名前に由来するグルーポン
という名前で知られる。商品に対する割引価格で購入する権利をあらかじめ設定した数に達したら購入できるという方式だ。新規顧客の獲得するために宣伝も兼ねて実施しているケースも多い。フラッシュマーケティングとも呼ばれる方法で非常に短い間に、キャンペーンを実施して人を集める方法が考えられる。宣伝広告として売れ筋のものを安く売ることになるので、季節変動や時間的な制約がある商品が適している。また、購入者が集まらなければ安く買えないので、自ら宣伝して買う人を探したりすることになり、Twitter等CGMを活用したマーケティング手法だ。

これまでにもギャザリングといわれる方式で、これまで一定以上買う人いると、購入する人数に応じて安くなるという共同購入型もあった。こちらは、購入する人数が少なくても購入できるという点が異なる。もちろん、購入したい人数が少ないとあまり安く買えないため、やはり購入したい人が広告をする点は同じだろう。

海外ではペニーオークションと呼ばれ、入札する度にお金に相当するポイント等が必要な方式だ。運営者が1円等低価格からオークションをスタートさせて、1回の入札につき数十円程度の手数料をユーザから取得する。手数料を支払ってまで購入するユーザはそれほど多くないため、極端に低い金額で決まる可能性もある。運営者にとっては、競い合うことで、入札額もあがり、落札にかかる手数料が増えることになる。一方では、ユーザにとっては、落札できない場合には手数料分が無駄になる。つまり、そのような落札できないユーザの手数料を原資にして安く提供できるという仕組みだ。そのため、落札者のみが、大幅割引で買える可能性がある点が注目されている。

ただし、運営者自身が価格を吊り上げるようにすることで手数料が稼げるため、詐欺ではないかとも言われることもある。通常のオークションと同様に出品者、システム提供者の信用度が大事であると言えるが、両者が一致していることもあり現状では判断が難しい。

地域・時間制限クーポン

携帯電話の位置情報を利用して、近隣の店舗における時間制限付きクーポンを入手できるサービスもある。例えば、予約のキャンセルで席が空いてしまったので30分以内に来たら大幅割引するなど、周囲にいる人に対してその場限りで割引をすることで呼び込むことができる。また、携帯電話上でアプリケーションを起動しておけば、自動的に配信されるようになる。

課題や今後の方向性は

新しい販売方法ではトラブルも付き物だ。本来、新規の顧客を取り込むためのクーポンであるのに、常に大幅値引きで提供しないと買ってもらえないようになったり、想定数よりも少ない数しか希望者がいないと購入できないため期待していたユーザが逆に不満を宣伝するようになることも考えられる。大幅割引といいながら、定価を高く見せたり、先に挙げたようにペニーオークションの例
でも運営者が信頼できるかなど利用者を欺く行為がないとは言えない。

これまで日本では、ポイントサービスで常連を増やす戦略を取ることが多いと言われている。割引広告であるクーポンは、対象者や時間や場所、数を限定することにより効果も出やすい。また、これらの方式は、自分が購入したいモノ・サービスの価格に対して、他人の行動が直接・間接的に反映される仕組みが実現されていると考えることができる。