フォトフレーム
そこにある液晶ディスプレイの続きになるが、デジタルフォトフレームが静かなる盛り上がりを見せており、電気量販店にも専門コーナーがお目見えしている。机の上やリビングに家族写真を置く欧米の文化では受け入れられるが、日本ではどうかと危惧していたところ、意外と注目は高いようだ。
画像のスライドショー、動画・音楽再生、時計・カレンダー表示などのデジタルフォトフレームの本来機能のほかに、更なる付加的機能を追加する商品が増えてきている。Pintはケータイと連携させることによって遠隔地にあるフォトフレームに画像を転送できるようにしている。ALBOはメール閲覧機能を備えており、画像付きメールを受信、表示できる。将来的にはDLNAやブラウザ機能も付加していく予定であると発表されている。これからのデジタルフォトフレームはネットワーク対応が必須と言えそうである。
サブディスプレイ
フォトフレーム以外にも静かなブームとなっているのがサブディスプレイである。単なるマルチディスプレイではなく、小さくて場所をとらずUSB接続するだけで使えるようになるお手軽な感覚が人気の秘訣であろう。Mimo、Plus One、FTD-W71USBなどの製品が発表・発売されている。解像度は800 x 480、画面サイズは7、8インチなので表示エリアは限られているが、普段はウィンドウの下に埋もれた情報を常時表示させておくには十分なスペースである。Mimo UM-730はビデオチャット用の小型カメラとマイクを内蔵している。ビデオチャットを製品サポートに取り入れている企業もあり、このような小型ディスプレイをビデオチャット専用ウィンドウとして使うのもありかもしれない。また、ワンセグTVの流し見程度ならば十分な大きさである。
サブディスプレイに表示させるのに最も適しているのは、やはりデスクトップガジェットであろう。Windows Vista、Yahoo、Googleから様々なガジェットが提供されているが、実際のところどれもいまひとつの感があり、それほど普及しているとも言いがたい。しかし、これまでウィンドウの下に埋もれていたガジェットが常時表示されるようになると見方も変わってくる。今までは見向きもしなかったピクチャースライドショーが面白いと感じたり、鬱陶しかったニュースティッカーも気分転換になる。サブディスプレイに動きや変化が生まれるような、より魅力的なガジェットが欲しくなる。通常使用には必要十分なCPUパワーが供給されている昨今、今までは軽視されてきたこれらハードウェアとソフトウェアの相乗効果に期待したくなる。
マルチタスキングのツール
小型ディスプレイは間違いなくこれから進化していく。液晶サイズは、今主流のネットブックのディスプレイ解像度が10インチなので、近々10インチ級のものも出てくるだろう。そして多くは何らかの通信機能を有するであろう。メインディスプレイとサブディスプレイがセットになったものも出てくるかもしれない。
これらの小型ディスプレイがもたらすものは、我々の生活のあらゆる場面におけるマルチタスキングである。聖徳太子以外は同時8プロセス実行は無理だろうが、メインプロセス以外に「ながら」に行うサブプロセスは多くの人がいくつか実行しているだろう。メール着信、天気予報、スポーツ中継、はたまた株価、為替などが気になる人は多いはず。
コンシューマ分野ではコンピュータディスプレイや平面TVと、これまではより大型のディスプレイが注目を浴びてきたが、小型ディスプレイとそれを活用するサービスも面白くなってきそうである。