たんすの肥やし活用化レコメンドエンジン

「毎日の洋服のコーディネートに時間がかかる。」そんなお悩みをお持ちの女性も多いのではないか。そんな悩みを解決するビジネスについて考えてみる。

限られたお小遣いと増えるたんすの肥やし

多くの女性はファッションに気をかけている。「ファッションは好きだし、流行は取り入れたいけれども、無駄遣いは出来ない。」という女性も多いのではないか。女の転職サイトtypeによると、働く女性の6割が洋服にかける出費は約3万円以下に抑えているというデータが出ている。限られた予算の中でいかにお洒落をするかは、女性にとっては永遠の課題なのである。

一方で、流行が変化しても自分の好きなテイストというものはあまり変化しないもので、似たような服を買ってしまってほとんど着る機会が無い、「たんすの肥やし」化している洋服も多いと推測される。

自分だけのスタイリスト

そんな悩みを解決してくれるツールは無いかと思っていたら、こんなものがあった。PSP用ソフト「My Stylist」である。My
Stylistでは、自分の持っている洋服の画像を登録しておくと、天気や用事等、その日のシチュエーションに合わせてコーディネートを提案してくれる。更に、提携しているブランドについては、新作アイテムが定期的に追加され自分が持っている服とのコーディネートをチェックすることも出来る。まさに、自分だけのスタイリストである。「My
Stylist」の場合、ユーザーが手動で入力した服の種類や形状、素材、色、価格、ブランド等の情報をデータベース化し、その情報を用いてコーディネートを行っている。

Amazon等の大手の通販サイトでは購買履歴を基にしたリコメンデーションが行われているが、「My
Stylist」の優れている所は、TPOに合わせて手持ちのアイテム如何に活用するかをレコメンドしてくれる点である。

類似研究–TPOに合わせたレコメンド

類似研究として、TPOに合わせたレコメンドの研究は日本でも行われている。中央大学による研究は、時刻や場所のみならず今後の行動予定といったユーザーの「状況」を把握し、携帯電話にレコメンデーションを送るというものである。

また、昨年度の情報大航海プロジェクトでも、TPOに合わせたレコメンドサービスが研究されている。当該研究は、機械学習技術の一つであるサポートベクターマシーンを応用することで、ユーザーの嗜好性に加え、「同行者は誰か?」「気温はどうか?」「季節はいつか?」といったユーザーの周辺状況(コンテキスト)を考慮したコンシェルジェ型レコメンドエンジンの開発を行っている。

さらに魅力的なサービス–「あったらいいな」

「My
Stylist」がより魅力的なサービスになるためには、第一にユーザーの入力作業負担を無くすことであり、そのためには画像からアイテムの特徴を自動検出が必要になる。第二にユーザーの感性にあったレコメンドを行うことである。

一方、レコメンドエンジンを提供しているアルベルトでは、通販のアイテム画像から背景を取り除いてアイテムの特徴を独自の手法で数値化し、類似アイテムを検索する技術「SUDACHI」をレコメンドエンジンに採用している。このアルベルトの画像解析技術を、「My
Stylist」に取り入れることにより、ユーザーの入力作業負担を軽減されると非常に喜ばしい。

また、中央大学・NTTドコモ・共同印刷では、消費者の感性モデルを構築し消費者の評価基準に合ったレコメンドを行う研究が行われている。これらの研究が進み「My
Stylist」により蓄積された画像等から個人の感性をモデル化することで、より個人の感性にあったレコメンドが出来るようになると、大変魅力的なサービスになる。

レコメンド技術が進むことは非常に喜ばしいことであるが、一方であまりにピンポイントにレコメンドされてしまったら、欲しいものが益々増えてしまい、世の中の女性の悩みは尽きることは無いのかもしれない。