ネットでスクラップブック

ちょっとメモを取る

ネットを巡回しているときに、ちょっとこの情報面白そうだから取っておきたいと思うことは非常に多いだろう。必要な情報を探し求めているときでも、なんとなくブラウジングしている最中でも、思いがけず発見する情報は多い。そんなときは恐らく多くの場合ブックマークに登録したり、URLをメモしておく、あるいは必要な部分をコピペするであろう。

そこで困ってくるのが情報の整理である。Google Desktop検索が一石を投じてネットでもローカルPC上でも自由に検索できるようになり、「とりあえず取っておいて後で検索する」というスタイルが確立された。メールにおいてもGmailではフォルダという概念がなく、後に参照したい過去のメールはキーワードによる検索か、付与されたラベルを頼りに探すことになる。これまではフォルダで階層化されたディレクトリ型の整理方法が一般的だったと思われるが、情報収集・整理方法も人それぞれ多様化してきている。

きっちりとディレクトリを作って収集したい情報もあれば、ちょっと気に留めておく程度の「チラシの裏に書くような(チラ裏)」情報もある。お買い物の時の参考情報や、期限付きの情報もある。また、用途としてはPCで扱うような高度な処理が必要なものや大量の情報もあれば、ケータイからも参照したいメモ書き程度の情報がある。情報はいつでも取得し、いつでも参照したくなる。この記事を書くためのネタを日々蓄積しているように。

情報収集方法

相変わらず根強いのがメールによる収集・蓄積である。URLやメモなどを自分のメールボックスで管理するのだが、Googleツールバーでは1つのボタンでそれが可能になっており、ブログへ送ることもできる。Wikiで情報管理を行う方法もあるが、専用の記法があったりケータイからでは使い勝手が悪いなど、若干敷居が高い。それでもDekiWikiConcrete5などは手軽にそれなりに見栄えのある情報蓄積サイトを構築可能である。Remember The MilkやGmailのToDoリストガジェットではメール経由でToDoの管理も行える。

付箋紙系ソフトの愛用者は多いと思うが、その進化系であるオンライン付箋紙stickypaper+onlineはWindowsアプリとWebアプリの連携が可能である。もう少しスクラップブック的に進化したものがEvernoteで、こちらは多様な形式のメモを取り込むだけではなく、画像の中に含まれている文字をサーバ側で認識してタグ付けしてくれる。Evernoteの利点は、単に情報を集めて整理するだけではない付加価値がつけられたサービスになっているところである。その他に、他のユーザとの情報共有サービスなどがあるが、あまり日本のユーザには受け入れられにそうなサービスである。それよりも、Googleのリコメンドやアドセンスのような支援機能は比較的実装は容易で、あっても良さそうなサービスである。

まだ実装から僅かしか経っていないが、Internet Explorer 8ではWebSlice機能を追加している。従来からあるWebページの部分切り出し(クリップ)機能を1歩進め、切り取った部分のみを閲覧することができる。クリップの登録・閲覧機能しかないので不十分ではあるが、RSSとは違った最新情報の収集方法として今後とも注目していきたい技術である。

チラ裏を活用しよう

ここまで紹介してきた以外にも便利なツールはあり筆者もいろいろと試行錯誤してきたが、結局メールでの管理に落ち着いているところは否めない。メール以外にもRSSや様々なWebサービスを駆使しているが、現在のところいろいろな情報が様々に分散されてしまっており最大限有効活用されているとは言えない。

そこで無い物ねだりではあるが、あるといいなと思われるネットスクラップブックのクライテリアを挙げてみる。

  • 情報の記録が手軽にできる(アクセシビリティ、ユーザビリティ)
  • PC以外からの記録、参照が可能(ユビキタス)
  • 記録・蓄積・管理フォーマットが自由である(オープン)
これらが高度にバランスされたサービスであれば大ブレークする可能性がある。そのようなサービスがあればもちろんこのような原稿を書く上で大いに助かるのだが、デスクトップが付箋やリンクだらけになっているユーザにも福音となるに違いない。インターネットはグローバルかでの論点と類似するが、ネットを他とのコミュニケーション手段としてではなくパーソナルなツールとしての用途も広がっていると言える。