今そこにあるガジェット

ガジェット(gadget)とは、もともと気のきいた小物という意味だが、アプリケーションというには大げさだが、PCのデスクトップ環境上で使うには気が利いている小規模なソフトウェアのことだ。Windows
VISTAで使われるようになって知られるようになってきた。

既に使われているガジェット

個人のデスクトップ上で使われるガジェットとしては、 機能的には、時計、CPUの稼働率といった計算機内部の状態を示すものや、
スケジュール、付箋、メール受信状態などユーザの状態を示すものがよく使われている。
時計のようにデスクトップ環境としてあらかじめ用意されている機能もあるが、
気に入った形状の表示にしたいなどデスクトップ環境をカスタマイズしたいというニーズに答えたものである。
そのほとんどはフリーウェアとして作成されたアプリケーションであり、
Vectorや窓の杜などに多種多様なガジェットが登録されており、ダウンロードして使っている人も多いだろう。

このような小型アプリケーションといえども、利用するためにはソフトウェアをインストールしたり、設定をしたりというような手間が大きかった。最近では、RSSリーダーのように外部リソースの更新をチェックするようなものも増えてきており、ネットワーク対応するガジェットも増えている。この背景にはどのような現象があるのだろうか。

開発用キット提供の狙いは

Windows VISTAを始めとして、Yahoo(ウィジェットと呼んでいる)やGoogleといった大手のサービス企業がガジェットを簡単に作れるように各社が競い合うようにガジェットの開発環境と稼働する環境を提供している。いずれも、ネットワークリソースを使うためのAPIへ簡単にアクセスできる仕組みや複雑な画面生成機能を用意して、JavaScriptとHTMLを使って作れるようになっており、極端な話をすれば、エディタさえあれば作ることも可能だ。

Webブラウザを使うインターネットサービスの世界では、マッシュアップを活用して誰でもサービス提供できる環境がある中で、サービス提供各社の戦略としては、自社のサービスに囲い込むために汎用的なブラウザの代わりを提供して開発環境を提供していると考えられる。このようにデスクトップ環境がプラットフォームとして機能しつつあるのが現状である。

これまでは、Webブラウザのポータルサイトを獲得することが広告戦略上大きな目標だった。市場も硬直化しつつあるのが現状であるが、単機能のガジェットが多数使われるようになると、サービスのクライアントや広告の表示先は必ずしもWebブラウザに限らない。ブラウザシェア争いが続いているとも考えられる。

企業ユーザへの普及が鍵

勝手にインストールできなかったり、アプリケーションを表示すると作業画面が狭くなるなどの要因から、企業ユーザにはガジェットはそれほど浸透していない。企業向けシステムは、クライアントサーバ型のシステムではなく、Webシステムに変わりつつある。そうした中、Webブラウザに利用したシステムに対応する専用のガジェットを提供することが可能である。

汎用的なWebブラウザではセッション管理など難しさを考えると、
単機能のガジェットやリッチクライアントでクライアントを実装する方法も考えられる。 そうした可能性を考慮すると、
今後ビジネス用ガジェットを提供する企業が現れても不思議ではない。 ガジェットがブラウザ並に標準的に普及するかどうかは、
企業ユーザがその単機能の便利さを見出せるかどうかにかかっている。