1説にはPCの買替えサイクルは3年といわれている。 しかし、一般的な実需に対してそれほどPCは進化しているのだろうか? もちろん用途により評価は異なるのだが。
PCのハードウェアの進化
最近のPCのCPUはマルチコアなどにより強化され、メモリも速くなっているが ハードディスク容量は、動画処理はともかくとして、 普通にファイルを扱うにはそれほど必要がないということもあり頭打ちである。 少し速い無線LAN規格への対応や、USB規格への対応などもあるが、まだ過渡期である。 家庭用のPCの最近の進化は、ワンセグチューナーや地デジチューナーがついたくらいではないだろうか?
Windows Vistaが来月に発売される予定である。 起動が多少速くなり、UIが洗練され、信頼性とセキュリティが向上したとのことである。 信頼性とセキュリティについては、1つのOSイメージから複数のPCのセットアップが可能となり、 企業ユースでは、保守コストの削減にも役立つであろう。 これ自体は歓迎すべきことであるが、個人ユースでは、劇的に何かが変わったとは思えない。 PCと情報家電の住み分けといった課題もあるが、PCの進化としては、まだまだ過渡期であり 特に個人ユースでは、PCの次なる居場所が見出せていないのであろう。
携帯のようなモバイルPCはできないものか
筆者は、出張先で、新幹線の予約変更や、メールの読み書きなどを行うことが多い。 前者は、簡略化され入力が簡潔に済む携帯サイトで行うことが多く、 後者は、キーボード入力や添付ファイルの閲覧に優れたPCで行う。 そもそも会社のメール閲覧には専用のセキュリティソフトが必要というのもあるが。
モバイルPCへの要求は、軽量でバッテリーの持ちがよく、すぐに起動できること。 最近のモバイルPCは、1Kg程度で、バッテリー持続10時間程度のものもあるが 起動時間の速さとなると、携帯の比ではない。 PDA端末のOSは、Windows MobileやLinuxであるので、 技術的にPDAと同等機能の小型のノートPCサイズのモバイルPCを作ることは可能であろうが 残念ながらそのようなコンセプトの製品は少ない。
とにかく動作の軽いPC及びソフトが欲しいのだが
Windows以前のPCは、CPU速度が現在より遥かに劣っていたにもかかわらず、 ワープロも表計算も 現在より快適に動いていた気がする。 ところが、ハードウェアの進化分を全てソフトウェアが消費しているというのが現状である。 感覚的に、ハードが進化しても、劇的にソフトの動作が快適でないのは嘆かわしいことである。 なお、ワープロについては、以前、高機能ワープロなんて要らない!(Take IT Easy 2001.09.11)という記事も書いている。
洗練され、無駄なものがなく、動作が軽く快適なPCとソフトが欲しいのだが、 開発ベンダーにはどうしても、多少動作が重くなっても、今までのものより機能が豊富なものを 作ろうとする意図がみられる。 ここらで、シンプルとリッチという二極化を目指してもよいのでは、と思うのは私だけだろうか?