画像検索を使ったことがあるだろうか。 「○○○の顔が知りたい」「あれどんな形をしていたけっけ?」 などという時に、画像ファイルを探すちょっと便利なツールである。 全文検索に比べれば利用頻度は少ないが、週に何度かは使っている。
固有名詞なら使える画像検索
現在、日本語で画像検索サービスを提供している検索サイトは、 Googleの他に、 Goo、 Yahoo!、 Ask.jp、 livedoorがある。 Googleイメージ検索が登場したのが2001年6月、約4年前のことである。 以降、検索サイト各社も競って画像検索のサービスを始めた。
画像検索が一番使えるのは、人名、地名、商品名など、 固有名詞をキーワードにした場合である。 特に人名を調べるのは便利である。 有名人はもちろんだが、ネットでそこそこ知られた人なら、 画像検索でヒットすることも多い。 リアルで面会する前に、画像検索で顔を調べておくのもよいだろう。 待ち合わせの際、『アルタ前』のように地名で画像検索するのもよい。
内容は検索できない
画像検索の仕組みはそれほど難しいものではない。 基本的には、画像ファイルの周辺にあるテキストからキーワードを拾っているだけである。 タイトルやファイル名に使われているキーワードの重みを上げて、 できるだけ検索の意図に沿うように調整している。 つまり、画像に写っている内容を解析して検索している訳では無い。
画像の内容を見ずに、いかにユーザの検索ニーズを満たすかは、各社の腕の見せ所である。 画像を拾いすぎれば検索精度は落ちるし、絞り込めばヒット数が落ちてしまう。 しかし、現在の技術では、まだまだユーザの画像検索ニーズを満たしているとは言い難い。 その結果、使える用途が固有名詞検索くらいしか無かったというのが現実であろう。
画像内容を直接解析する代わりに、類似画像を提示するという試みが、Gooの マルチメディア検索実験である。 画像検索で得られた画像自体をキーとして、似たような画像を再検索する仕掛けである。 著作権者が違法コピー画像を検索するには強力だが、 他にあまりうまい検索用途が思いつかない。 実際、あまり評判になってはいないようだ。
画像の中身が分かれば市場が広がる可能性
Googleがこれ程までに流行ったのは、「全文検索」であったからである。 インターネット上のほぼすべての文書を漏れなく検索できるのと、 ごく一部しか検索できないのでは大きな違いがある。 一部だけなら、昔のYahoo!のように人力で分類したりキーワードを付与してある方が、 はるかに使いやすい。
画像を分析して、写っている内容すべてが検索できる「全画像検索」が実現すれば、 検索サービスに新たな市場が加わる可能性がある。 検索キーとして、単語だけでなく、画像そのものも使える検索である。
例えば、ショッピングサイトで気に入った形のセーターを見つけたら、 これに似た色と形のセーターを探すことができる。 白湯スープのラーメン画像を検索して、目で確認してから店を訪ねるのもよいだろう。 壁紙画像を選ぶときに「透き通るような湖」というような検索もしたい。
もちろん全画像検索は技術的には極めて困難である。 現在は画像に自動車が写っているか、人物が写っているかだけでも、 識別できたことがニュースになる位である。 しかし、部分的にでも画像内容が検索できるようになれば、 使い方はユーザ自身が考えて広がってゆくはずである。
筆者としては、無料素材画像集で「パソコンに向かう子ども達」 のようなピンポイントの検索が切実に欲しい。 プレゼン資料を作る際に、10万点以上のクリップアート集から適当なイラストを探して 組み合わせてポンチ絵をよく作る。 各素材にはキーワードが付けられているので「子ども」という検索はできるが、 それだけだと数百もヒットしてしまう。さらに細かく検索しようすると術がない。 全画像検索ができれば、○○をする子ども達、という検索が可能になり嬉しいのだが。
本文中のリンク・関連リンク:
- イメージ検索サイト
- Xerox社画像分類システムを開発 (英語)