広いデスクトップが欲しい

筆者のデスクトップはウィンドウだらけである。 いくつも同時並行で仕事をする癖があるせいか、
作業中のウィンドウが30以上開きっ放しであることも珍しくない。 だから、いつもウィンドウを探す羽目になる。

仮想デスクトップの限界

ウィンドウ多数派に欠かせないのが、仮想デスクトップである。
SXGA(1280×1024)やUXGA(1600×1200)の画面を、仮想的に数枚用意し、 切替えて使うソフトウェアである。
このような仮想デスクトップソフトウェアとして、 Windows向けには Virtual Desktop for Win32Expanseが、Mac向けには CodeTek VirtualDesktop Proがある。 Linuxなら GNOMEでも KDEでも、 仮想デスクトップは標準装備である。

筆者は通常4つの仮想デスクトップを使っており、 第1面でメール、第2面でブラウザ、第3面でワープロ・表計算、
第4面はメールやブラウザのウィンドウが増えた際の予備として使っている。 仕事が忙しくなってくると、
プロジェクト毎に仮想デスクトップを用意し、 8つ仮想デスクトップに増やすこともある。

しかし、仮想デスクトップは所詮「仮想」である。 ウィンドウの重なりを少なくできるが、
1画面に同時表示できるウィンドウはせいぜい2〜3個である。
これではメールの添付ファイルを開きながら、リプライを書くだけでも不十分である。

マルチディスプレイが欲しいが、、

やはり、根本的な解決策はマルチディスプレイであろう。 最近の高スペックPCなら、ディスプレイを2台つないでも充分速い。
しかし、PCは安くなったが、高解像度の液晶ディスプレイはまだまだ高価であり、 PCIスロットに空きが無いので、
そう簡単にディスプレイを増やせないのが実情である。 代わりにノートPCをサブディスプレイ代わりに使っている。

マルチディスプレイを一番使いこなしているのが、 自宅でインターネットの株取引を仕事にしているデイトレーダー達である。
こんなトレードルームを見ると、 うらやましくて仕方がないが、一般人には夢のまた夢である。

狭いディスプレイを少しでも広く使いたいというのは、 ソフトウェア開発者の魅力的テーマであり続けた。
この問題を改善するために、数々のアイデアが提唱されてきた。 もっとも、半透明ウィンドウや、一時的に脇に避けるウィンドウなど、
どれも今一歩であり、メジャーにはなり得ていない。

MacのExposéは、 そんな必要なウィンドウを瞬時に見つける小技をいろいろ装備している。
例えば、F9キーを押せば、一瞬にして全ウィンドウを縮小し、タイル状に並べてくれる。
F10キーを押せば、使用中のアプリケーションのウィンドウだけをタイル表示にし、
他のウィンドウは影におおって目立たなくしてくれる。ちょっと便利かもしれない。

最近一番のヒットは、タブブラウザであろう。
オープンソースのFirefoxや、IEのカスタムブラウザSleipnir、Donut、Lunascape等、
タブブラウザは主流になりつつある。 ウィンドウの切替えをタブの切替えに置き換えることで、
ごちゃごちゃした多数のウインドウをコンパクトにひとまとめにした効果は大きい。
欲を言えば、ウィンドウを上下分割して、2〜3のページを同時に見たい。

そろそろ使えるか3次元デスクトップ

一方、これから注目されそうなのが、3次元デスクトップである。
デスクトップを3次元化するという、アイデア自体は10年以上前からあった。 以前はパワー不足のため、遅くて使い物にならなかったが、
最近のグラフィックボードの進化でこれは解決しつつある。 後は、3次元をいかに使いこなすかが問題である。

METISSE は最もシンプルなタイプの3次元デスクトップである。
ウインドウを奥行き方向に回転させる、半透明化して後ろが透ける、 ウィンドウの端を折返す、といった3次元操作ができる。
いずれもウィンドウの重なりをうまく避け、 必要な所だけを見せるテクニックである。

一方、3次元を極限まで推し進め、 バーチャルリアリティ(仮想空間)で模擬したデスクトップ環境もある。 3DNAデスクトップは、デスクトップをワールドと呼び、 建物や景色をメタファーに使い、
Webリンクや画像、ファイルにアクセスできるようになっている。
これはこれで楽しそうだが、仕事を効率化させるには逆効果であろう。

3次元デスクトップが流行しない原因の一つにマウスというデバイスの制約があった。
水平方向しか移動できず、ボタンが2〜3個のマウスでは、 奥行き方向の3次元操作に無理がある。 この問題を解決しようとしているのが、
Looking
Glass
である。 Looking Glassの見た目は3次元仮想空間のようだが、操作感はむしろ2次元に近い。
マウスという入力デバイスの制限の中で、 3次元の使いやすさを追求している。2.5次元デスクトップと呼ぶ人もいるようだ。
やっと実用的な3次元デスクトップが登場したかという感がある。

しかし、3Dデスクトップが本当に実用的になるためには、 マウスに代わる3次元入力デバイスが必要である。
ウィンドウ操作、および、デスクトップの視点移動を、 直感的に行える入力デバイスが不可欠である。
その候補は、3次元ジョイスティック、タッチパネル、 指先のジェスチャー認識のいずれか、またはその組み合わせだろうと予想する。

デスクトップ環境に関しては、この10年期待してはがっかりする、その繰り返しであった。
今度こそ3次元デスクトップは流行るだろうか。