今月初めに任天堂のニンテンドーDSが、そしてつい先日ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)からプレイステーション・ポータブル(PSP)が発売され、空前の携帯ゲームブームとなっている。
PSPはゲーム機か?
PSPはPlayStation2(PS2)とほぼ同等の性能を実現したポータブルゲーム機器である。しかし、PSPは動画、音楽、静止画の再生が可能なマルチメディアプレーヤーとしての側面もある。PSPの対応するフォーマットは以下のとおりである。
- 映像
-
- “メモリースティック” ビデオフォーマット(MP4準拠)
- 音楽
-
- ATRAC3plus(48/64/256kbps)
- ATRAC3(66/105/132kbps)
- MP3
- 静止画
-
- JPEG
他にも機能として無線LANが標準で装備されていたり、従来機器にはない(ポータブルとしては)大型液晶を搭載していたり、いままでの「ポータブルゲーム機」の範疇を超えた製品であるといえる。
携帯機器の多機能化
携帯ゲーム機が多機能化している背景には他の携帯機器の多機能化がある。
HDD音楽プレーヤーとして有名なiPodであるが、静止画再生、ゲーム、スケジュール管理などの副次的機能を備えている。NTTドコモのFOMA 901iシリーズでは基本の電話機能のほかにゲーム、デジカメ、音楽・静止画再生、スケジュール管理、ドキュメントビューア、電子マネーなど非常に多機能である。ボーダフォンではさらにFMラジオやTVの視聴も可能な機種を提供している。
NTTドコモが12/10から提供を始めたMusic PORTERは概観がゲームボーイアドバンスであり、主たる機能が音楽プレーヤーのようなケータイである。大型液晶を生かしてWebやメールなどのネット機能も充実している。しかしiモード端末ではあるが、iアプリには対応していないので意外ではあるがゲームはできない。
日本では成功したとはいえないPDAも、孤軍奮闘するソニーがマルチメディアビューア機能を大幅に強化したPEG-VZ90を提供している。シャープもHDDを搭載したZaurusでマルチメディアプレーヤー的な利用シーンをアピールしている。PC勢も疑心暗鬼ながらMicrosoftが推進しているWindows Mobile software for Portable Media Centersを搭載したマルチメディアプレーヤーを投入してくる予定である。
こんな携帯機器が欲しい
携帯機器の小型化、多機能化は目を見張るものがあるが、さすがにそんなに多くの小道具を持ち歩くことはできない。一つ一つは小さい機械であってもそれが3個も4個も集まれば小型ノートPC程度の重さになるし、じゃらじゃらと煩雑になる。その上、多くの機能が機器間で重複しており、気がつくと2つも3つも音楽プレーヤーを持ち歩いていることもある。
中途半端な付加的機能を排除したシンプルな単機能携帯機器が今後の主流になれば別であるが、現状はその逆なのである。そこで発想を変えて、PSXがゲーム機をベースとしたHDDレコーダだったように、PSPをベースとしたオールラウンドケータイガジェットができないだろうか。
まずZaurusやiPod miniに搭載されているHDDを内蔵し、HDD音楽プレーヤーを取りこみ、FOMAカードに対応すれば携帯電話も取り込める。ついでにFeliCaに対応すれば電子マネーもOK。さらに拡張ポートを用意してカメラ、TVチューナ、GPSアンテナなども接続できるようになると面白い。タッチパネル液晶にアップグレードしてPDAソフトを提供すればPDAも取り込める。
これが5万円程度で発売になれば絶対に買う! 次のボーナスで。
本文中のリンク・関連リンク:
- 携帯ゲーム機
- マルチメディアビューア機能を持った携帯機器