カメラ付き自動車の将来は?

デジタルカメラの普及は目覚しい。携帯電話はもちろんのこと、街角やエレ
ベータの中でもよく見かける。自動車も例外ではなく、バックビューモニタ付き
の自動車を所有している読者も多いと思う。カメラを利用した自動車の高度化に 注目してみよう。

便利な駐車アシスト

バックビューモニタには自車の後方の画像に重ね合わせる形で、車の予想進
路も表示してくれる。そこまできたらもう一息、ハンドル操作までして欲しいと
願うのが人情である。そんな機能がトヨタのプリウスについている駐車アシスト
機能で、ドライバは安全を確認しながらブレーキとアクセルを操作するだけで駐 車が完了する。

負担を減らし、事故を防ぐ前方監視

一部の高級車には先行車両に同じスピードで追従したり、車線からはみださ ないようにハンドルを調節してくれる機能がついている。
これも (レーダ等も使っているが) カメラの映像を利用して先行車までの距離を
計測したり、車線を認識したりしている。まだ数十万円と高価なため限られた高
級車にしか搭載されないが、徐々に普及価格帯に落ちてくることを期待したい。

中でも最近話題になったのはホンダのナイトビジョンシステムである。これ
は赤外線カメラを搭載し、夜間、道路を歩いている歩行者をモニターに表示する
システムである。モニターに歩行者の位置が示される様子はまるでゲームかSFの ようだ。

事故が起きたらドライブレコーダ

一部のタクシーに搭載され始めたのがフライトレコーダならぬドライブレコー
ダだ。衝突をセンサが感知すると前方を映した前後数秒間の映像を保存する。事
故原因の客観的な証拠となるため普及が望まれるが、まだまだ知名度が低い (*)。
また、価格は数万円程度だが、事故に巻き込まれない限りユーザにとってのメリッ
トがないため、コスト競争の激しい乗用車部門での採用はなかなか進まないかも
しれない。1〜2万円で設置でき、料金所をノンストップで通過できる便利なETC
でさえ、様々な普及促進策をとっても運用開始から3年半でようやく20%の普及率
である。まずは前方監視システムと連携させてメリットをアピールしたり、保険 料を安くするといった特典を考えてほしい。

*
先日テレビでドライブレコーダを紹介していたが、某自動車メーカのトップは
ドライブレコーダというものの存在を知らなかった。

ディスプレイもがんばって!

他にもサイドの死角を見るための小型のフェンダミラーの代わりにカメラを
使用したSUV系の車もある。このように前後左右にカメラが設置されているのに
ドライバが見られる映像はダッシュボードのちっぽけな液晶モニタだけ、という
現状は少々さびしい。フロントガラスをディスプレイとして使おう、という研究
開発も進められているが、実用化にはまだ時間がかかりそうだ。技術的には、暗
闇から逆行まで広ダイナミックレンジに対応なくてはならない、プロジェクタの
光量が足りない、などの課題がある。また、実際の風景とCGを高精度に自然に合
成しようとすれば頭部の位置のトラッキングも必要になる。さらに、そもそもフ
ロントガラスに余計なものを映していいのか、という安全上の問題もあるだろう。

最終目標である全自動運転が実現されればモニタなど必要ないかも知れないが、
それは遠い未来の話。せめてもっと見やすい大画面が搭載されたら、と思うのは 筆者だけではあるまい。