フォームのWebユーザビリティ

初詣以外はほとんど出かけず家にいる寝正月といえば、 “おもしろくない”と言いつつテレビのチャンネルを変え続けるか、
もう少しがんばってレンタルビデオ店に出かけていくというのが王道だったが、 最近ではWebが暇つぶしの一つに加わる。
眺めるだけでは飽き足らず、ひさしぶりに懸賞応募などにあけくれていた。

Webからの応募は楽か

Webからの応募は私にとっては楽である。 それどころか、新聞紙上やホームページ上の要項に「応募はハガキのみ」と書いてあれば、
今どきナンセンスなどと思ってしまう。 しかし、多くのユーザにとってフォーム入力は依然難しいものとしてたちはだかっていることも確かだ。
それがメールを書くことにそれほど難を感じず、 Webでなんとか自分の好きな情報を探し出せるユーザだったとしても。

フォーム入力の壁は、マウスとキーボードを何度も切り替えるなど操作の複雑さが第一だ。
(次に書く操作はキーボードのみでも可能だが、それは上級ユーザというものだ) フォーカスの移動にはマウスを使う。
入力に関しては、テキストボックスならキーボードで入力。 ラジオボタンやチェックボックスならマウスでクリック。
ドロップダウンリストならマウスでクリック後もう一度クリックして選択が必要だ。
これらはインタフェースの面から見ると順不同に並び、さらにとても細かい。

そしてもう一つやっかいなのが、画面遷移である。 入力が終わって送信ボタンを押すと、たいていサーバ側で項目チェックが行われる。
その結果「もどって××を入力してください」などと言われ、 操作を繰り返す羽目になると、難しいだけでなくストレスがたまる。
また、入力項目が多いと複数画面に渡ることがあるが、 何かの拍子に遷移の操作を誤り、
今まで入力したものが消えてしまったとなれば最悪である。

フォームとWebユーザビリティ

Webユーザビリティは、簡単に言えばWebサイトの使いやすさ、使い勝手のことである。
書店にはWebユーザビリティに関する本がたくさん並んでおり、
サイトのユーザビリティ診断を専門とする会社もあるなど、重視されるようになっている。 全国516のサイトが対象の 「自治体サイト・ユーザビリティ調査」では、 その評価項目の概要や上位サイトが公開されている。

しかし、フォーム自体の使い勝手に関しては、 技術上の限界なのか直接的な向上策は今のところないようだ。
説明をつけるなど、まずは制作者が地道な工夫をするしかない。 また、少しではあるがフォームの要素を使いやすくすることも実はできる。
例えば、ラジオボタンはクリックする領域が小さくて選択しづらいという問題は、
HTMLタグのオプションを書くことで文字まで広げることができるし、
テキストボックスの文字の大きさも(ユーザが自由にとはいかないが)大きめに設定することが可能だ。
ユーザ側は、住所や電話番号など決まった入力が多いから、 入力支援ツールを試してみるのがよいかもしれない。
IEやNetscapeには、それぞれオートコンプリート、フォームマネージャと呼ばれる機能があり、
一度入力した内容を記憶させ再利用することが可能である。 その他、フリーの入力支援ソフトなどもある。

意外?な方法

画面遷移に関しては、より技術的な解決方法の余地がある。
例えば、必須項目のチェック程度ならJavaScriptなどを用いてクライアント側で行えば、 余計な画面遷移を減らすことができる。
そして意外にも、その技術の一つにFlashを挙げることができる。 Flashと言えば、
サイトのトップページの余計な重いアニメーションのイメージが強く、 ユーザビリティの敵のようにも言われていたが、
今は逆にユーザビリティを向上する存在として注目すべきだ。

Pet Marketは、Macromedia社によって開発されたデモサイトである。
一度訪れてみると分かるが、その操作性は非常に快適である。 最も実感できる点は、
入力が複数画面に分かれると通常のフォームではどうしても待たされてしまう画面遷移がスムーズに行えることだろう。
さらに、ブラウザの戻るボタンも正しく機能する、 ブロードバンドでなくても耐えうることも、 ヤコブ・ニールセンも認めている優れた点である。 私個人的には、
“これはFlashである”と主張していない点も含めてセンセーショナルなものだった。

ユーザビリティの向上は、ツールや技術だけで解決するものではない。 先に書いたように地道な方法も必要だし、
それより前に様々な面からの分析も必要などなど、 大事なのは手段ではなく目的だからだ。
素直に意外と書いてしまったが、本当のところは意外ではない。

たくさん応募した懸賞、たまにはなにか一つくらいひっかからないものだろうか。なにあともあれよい年になりますように。