人気のデジタル編集
最近わたしの周りではデジカメが急速普及している。世の中の流れと同じようにパソコンの 購入は一段落し、周辺機器に目が行き出したようだ。
ある調査によれば、パソコンで新たに挑戦してみたいことの問いに対して、メールとイン ターネット(Web閲覧)に続いて画像や映像の編集や加工が多かったという。子供の運動会 ビデオにせりふを入れるとか、デジカメ写真をカードにするとかそんなことだ。私はデジ タルビデオカメラは持っていないが、デジカメはよく使う。撮ったその場で見られるのも いいし、うけがいいのも楽しい。その日のうちにホームージにあげたり、メールで送って あげたりするととても喜ばれる。さらに、これは男性には理解できない世界かもしれない が、シールなんて作った日には一気に「私もやりたい」が加速した。 私は汎用的なドロー ソフトを使っていたのだが、それを教える自信はないので専用の写真プリントソフトを買 ってきて試してみることにした。
「ほとんど自動」の落とし穴
専用ソフトは実に楽である。写真データの入ったカードを差すと、監視ツールで検知し自 動で取り込んでくれる。取り込みが完了すると、続いてそのソフトが起動。画面上で写真 はアルバム風に整理されて表示され、簡単な操作でシール作成までたどり着ける。しかし、 そのソフトは一つのシートに複数の写真を入れる機能を備えていなかったので、今度はラ ベル作成専用ソフトを使うことにした。
まずラベルシートを選択し、それからデザインなどを決めていく。あらかじめ用意された ものを選んで文字を書く程度なら順調に進んでいける。しかし、オリジナルの画像を使い たいとなると、フォルダとファイルを自分で指定しなければならない。マニュアルには、 「お持ちの画像をお使いの場合は、参照ボタンをクリックしてください」とだけ書いてあ った。
こうなると自動取り込みはたちが悪い。さっきの写真はどこへいったのか。Windowsなら、 Program Filesフォルダの中のそれらしい名前のフォルダを探していくか、読みこまれた 写真のファイル名を先ほどのソフトウェアで確認しファイル検索をすればよいだろう。私 はぱっと思いつくものの、マニュアルを読みつつ一歩一歩やっているユーザは普通そこま で頑張れない。
ブラックボックスを崩していく
上の例ではフォルダ構成をある程度理解していないと、参照ボタンをクリックしてください とだけ言われてもどうしていいか分からない。Windowsでは、アプリケーションごとにデフ ォルトで保存フォルダが決まっている。そのため、あるソフトで使ったデータを異なるソフ トで流用しようと思った場合、たちまち破綻する。フォルダを探すとか辿ることは、初級者 ユーザにとっては例外的な行動である。運良くフォルダの名前を覚えていたとしても、位置 関係が分からない。
高校時代訳がわからないまま使っていた数学の公式は、大学に入って次々と証明され、初 めて意味が理解できたという経験がある。残念ながら詳細は忘れつつあるが、感心したこと は印象的だ。パソコンを使う時、よく分からないがこれをダブルクリックするとメールが読 めるといった使い方をしている人は多いのではないだろうか。 いきなり仕組みから学んで いくと気がめいるので最初はそれでもいい。しかし、どこかで「あ、そういうことだったのか」と いう感動(?)がないと先へは進んでいけない。
少しずつのヒントを
一方教える側としても、自動取り込みではフォルダに写真がコピーされていますとか、このアイ コンをダブルクリックするとパソコンが電話を通してプロバイダのコンピュータに接続し、 メールをダウンロードしますとか少しずつヒントを出していかなければいけない。 ソフトウェアの方も、自動でできるところはどんどんやっていくものの、少し例外的な処 理のところはごまかしているといった風が多い。もう少しマニュアルでフォローするなど 工夫ができそうなものだ。
少し前までは、パソコンを買ってメールをやる。ことが目的であった。次は何をしようか と一般ユーザの興味が移りつつあることはいい方向だと思う。 ここらでもう少し首を 突っ込んでみると薔薇色のパソコン生活(?)につながるのではないだろうか。
本文中のリンク・関連リンク:
- 一般ユーザ向けPC活用法の紹介
- デジカメ活用