最近、社外の方と打ち合わせをする機会が多い。 せっかく資料をご用意頂いた方には申し訳ないのだが、 少し整理をさぼっていると、見る間に机の上に山ができてしまう。 展示会やセミナーに参加しても、チラシやパンフレットあるいは 分厚い資料集が配られて、持ち帰って保管するだけでひと苦労だ。 さらに、必要な情報を探し出すのも困難になるし、そこに書かれた 情報そのものが古くなってしまう可能性もある。 さて、紙の資料をうまく管理する方法はないものだろうか?
デジタル化やファイリングでは不十分
それならば、デジタル化してしまえばいいと言われるかもしれない。 スキャナで読み込んで、OCRソフトを使ってテキスト化したり、 デジタルカメラで撮影し、画像として保存したりもできなくはない。 こうすれば確かに場所は取らなくなるが、その手間はかなりのものである。 この作業自体を自動化できれば良いのだが、 機材を揃えるだけでまだ相当なコストがかかるため、 とても実用的とは言えない。
では紙のまま、山根式袋ファイル・システムや 超整理法などで整理すれば良いと言われれば、 実はその通りなのだが、 時間が無い場合や、目の前の資料を眺めながら作業したい時は、 すぐにファイリングするわけにもいかない。 しかもこのように整理整頓したとしても、保管スペースは 一向に減らないのである。
必要に応じて印刷できれば十分だが…
本当にいろいろな資料を紙でもらうわけだが、 紙で必要な資料というのは実はごくわずかである。 それならば、必要な時に必要な部分だけ印刷できれば 十分だろう。 印刷元になるファイルをサーバで一元管理できれば、 印刷物の情報鮮度も保てるかもしれない。
そこで重要となるのが、印刷したい資料の所在を いかに伝えるか、記憶しておくかである。
名刺と非接触タグを組み合わせる
例えば、初めて会う人と名刺交換をする際、 その人の名前、所属、連絡先などの個人情報の他に、 今日の日付と打ち合わせ名称(イベント名称)、 さらに資料のURLやキーワードを記録した薄い非接触タグを 名刺の裏に貼り付けてもらう。 再び同じ人に会った時や名刺交換をしない場合など、 名刺がない時には、名刺大の紙に貼り付けられたタグを受け取る。
後日、紙で資料が必要となった場合には、 名前やキーワードでその名刺(大の紙)を探し出し、 そのタグに記録されたURLを読み取って、必要な部分のみを印刷すれば良い。
こうすれば、 その人にいつどのような用件でお会いしたかが名刺でわかるようになり、 まさに一石二鳥である。
非接触タグではなく、 名刺サイズのCD-Rや二次元バーコードでも似たような仕組みはできるが、 たくさんの名刺の中から目的の一枚を見つけるのは難しいだろう。 非接触タグ読み取り機を兼ねた名刺ファイルやケースがあれば便利かもしれない。
長い眼で見ればコスト削減できるはず
とは言いつつ、この仕組みにも、資料サーバの設置、 非接触タグ自体の価格や、その読み取り/書き込み装置の価格、 さらには標準化作業などの問題がある。 その一方で、解像度が高く一覧性に秀でるという紙の優位性や、 古くなった情報こそ価値があるという点も否定できない。
しかし、資料を印刷して持ち運ぶ/保管する手間や、 チラシやパンフレットを改訂/印刷/配布するコストを考えれば、 そろそろこのような仕組みを考えてみてもいいのではないだろうか?
もちろん、名刺さえも管理できない人には意味がないのだが。
本文中のリンク・関連リンク:
- 山根式袋ファイル・システム
- 超整理法
- 非接触タグの例、システム応用例: