ホームページのバリアフリー化を考える

ある施設のホームページを、一から作りあげるお手伝いをしている。どういう
構成にするか。内容はどうするか。ページのデザインや色は。などなど決定し
なければならない事が山ほどある。しかし、最も苦労しているのは、バリアフ リー対応への挑戦だ。

まずは音声化対応

早速、音声ブラウザを体験してみることにした。まず、インストールをしよう
と箱を開けたところ、おや?と思った。中にはCD-ROMのみで、紙のマニュアル
はない。このソフトウェアは、目の不自由な方々のために作られているのだか
ら、少し考えれば分かりそうなのだが。そんなことにも気付かない自分の意識 の低さに、少々がっかりしてしまった。

音声ブラウザは、ホームページの内容をタイトルから順に読みあげるのが基本 だ。このページであれば、まず「しゅうかん てーく
あいてぃー いーじー…」 と読みあげる。(ITが小文字ならば“いっと”と読むのだが。)リンクは、異な
る声で読み上げたり、特定の音を鳴らすことで普通のテキストと区別する。操
作は、マウスの代わりにテンキーなどを使って行えるようにもなっている。

先日、新聞で 音声化ソフトに対応していない省庁のホームページについての記事
を見かけたが、この代表的な例は画像である。音声ブラウザでは、画像の読み
上げが不可能だ。画像が見られないときのために、予め文章による説明が用意
されていればそれを読みあげる。「画像には必ず説明文をつける」ことは、音
声化対応の最低限であるから覚えておいて欲しい。しかし、論文などによく見
られる構造図などは、説明自体が難しく結局読めないことになってしまうので 考慮が必要だ。

全部読めても

大蔵省のトップページ
は、一応全部読めた。“一応”というのは、読めたが理解するには至らなかっ
たという気持ちを表したつもりである。画面を見ないで最後まで一通り聞いた
が、そこから次のページに辿っていく気はしなかった。実にリンクは30個以上、
1ページの内容が多すぎるからである。見てみると、あまり違和感はなく、ボ
タンの位置なども整理されている。しかし、読みあげるだけでは、どこからが
右側のボタンで、どこからが下側に配置されているかは区別できないのである。

これは、大蔵省のページに限ったことではない。新聞社、テレビ局を始め、ほ
とんどの企業のトップページは盛りだくさんである。目で見てもごちゃごちゃ
していて、どこを押したらいいのか探すのは一苦労だ。全部読める形式になっ
ていても、自分の見たい情報がたまたまページの一番下にあって、そこまで読
み進むのにどのくらいの時間がかかるかわからないとしたら。ページに画像が 多すぎてダウンロードが待ちきれないのと同じだ。

他にも言葉の問題などなど

普段、手話を中心に会話をしている方々は、複雑な文章を理解しづらいのだそ
うだ。手話のシンプルな構造に慣れているからである。耳が不自由でも、見え
て読めるのだから何ら問題はないだろうと思っていた私は、勉強不足を痛感した。

すべてのページを万人に読みやすいものにするのは、おそらく不可能だろう。
子ども向けには使える漢字が限られるし、お年寄り向けには横文字の多用を避
けるべきだろう。何を共有し、何を個別のサービスで対応するかの切り分けも
試行錯誤だ。とりあえず情報発信するという段階はもう終わりではないかと思
う。ホームページをお持ちの皆さん、もう一歩進んでみませんか。