B to B がまねく企業淘汰の時代

最近、オンラインショッピングという言葉を聞かない日はないくらい、電子商
取引が話題になっている。既に旧聞に属するが、今年の2月18日の深夜0時に
Webサイト(プレイステーション・ドットコム)で予約が開始されたソニー・プ レイステーション2
(PS2)は、その後の3日間だけで38万台がネット上で販売さ れた。

B to C の幕開け

ソニーの計画によれば、PS2は2000年度に400万台の国内出荷が予定されていることから、
2000年内には合計100万台〜150万台(約500億円)程度がプレイステーション・ ドットコム経由で販売されると予想される。

この500億円という金額は、1999年の日本におけるB to C電子商取引の市場規模 2,480億円(電子商取引実証推進協議会およびアンダーセンコンサルティン グ調べ)に当てはめて考えるとおよそ5分の1にも相当する。
単一商品をB to C電子商取引で500億円も売り上げるのは世界的にも珍しいが、 より重要なのは、
多くの消費者のネット上での買い物に対する抵抗感(アレルギー)を薄めたことで、 これをきっかけに日本のB to
Cが盛り上がるかもしれない。

B to Cって何だ

さて、ここでこれまで何気なく使ってきた「B to C」について少し説明しよう。
BとはBusinessつまり企業を指し、CとはConsumerつまり消費者を指す。従って、 B to C
電子商取引とは、企業と消費者間の電子商取引を意味する。 いわゆるWeb上での物販、つまり、 電子商店のイメージがB to
Cに相当する。 似たようなキーワードにB to Bというのもある。 もうお分かりのように、これは企業間電子商取引を意味している。
どこまでの範囲をB to B 電子商取引と呼ぶか、 明確な定義はないのだが、
企業間の見積・引合、受発注、決済などを電子化することを指す場合が多い。
簡単なイメージで言えば、これまで紙の伝票でやりとりしていた部分を電子化するということだ。

B to B 電子商取引の市場規模は、実はB to Cをはるかに上回る。 例えば、通産省の調査によればB to B電子商取引の市場規模は1998年には既に8.62兆円を超えている。
さらに、今後数年間で、数十兆円の規模まで拡大すると予想されており、 そのインパクトはB to Cの比ではない。

B to B のインパクト

しかし、B to B 電子商取引の真のインパクトは、単に紙伝票の電子化にあるのだ、 と早合点したら痛い目にあう。
先進的な企業は、電子化による業務の自動化や合理化を進めており、 業務スピードが非常に速くなっている。
この具体的成功事例は、各種雑誌やメーカーのパンフレットに多数紹介されているので、 そちらを(眉唾ものもあるが)参照されたい。
ところで、これらの「成功」は一社だけで達成されるものではない。 よほど独立した企業でない限り、取引先企業というものがあるだろう。
例えば下請けの金属加工会社に部品を発注したり、運送会社に運送依頼を出したりする。
容易に想像できるように、自分の会社の業務効率がいくら高くなっても、 取引先企業の効率が低いままでは何の意味も無い。
いわんや伝票の電子化にも対応できないなど、もっての外である。

こうして、先進的な企業や大企業は、取引先、特に中小企業の選別を始めつつある。 第一弾は、取引伝票の電子化に対応できるか否か、
その次は、ITを活用した業務効率の向上に対応できるか否か、が選別の基準となる。

このように企業は厳しい選別と淘汰の時代を迎えている。 選別の基準は結局のところITの活用力である。
しかし、この状態もいずれは昔話になるだろう。 というのは、結局ほとんどの企業はITを活用することになるし、
そうなれば選別の基準としてのITは意味を失う。 そうなると、結局は企業の提供する製品・サービスの質が問われる事になる。