コンピュータネットワーク業界では、ここしばらく「アプライアンス」という言葉をよく耳にするようになった。パソコンのように1台でさまざまなことができる機械とは反対に、ある特定の機能だけができる「ネットワーク・アプライアンス」の出現である。
すぐに使えるネットワーク・アプライアンス
ネットワーク・アプライアンスといえば、真っ先に思い浮かぶのは情報家電だろう。テレビに繋げてインターネットにアクセスできるセットトップボックスや、ネット対応の家庭用ゲーム機など、家庭ではすでにアプライアンス製品が浸透し始めている。
一方、オフィス向けのものでも、アプライアンス製品は注目を集めている。ファイルサーバ、プロキシサーバ、WWW サーバなど、従来はパソコンなどの汎用製品にソフトウェアを搭載して実現していたものが、単機能の専用マシンに取って代わられつつある。
ネットワーク製品では、ルータ、ハブ、モデムなど、従来から単機能の製品が存在していたので、別に取りたてて騒ぐ必要はないのかもしれない。しかし、最近のアプライアンス製品は、単機能というだけではなく、「すぐに使えて管理も簡単」というのが売りだ。
ネットワーク・アプライアンスの利点・欠点
ネットワーク・アプライアンスの利点はそれだけではない。汎用のパソコンで実現するのと比べて、次の点でも優れている。
本文中のリンク・関連リンク:
- ヒューレット・パッカード社 の PC アプライアンス e-PC
オフィスで利用しない機能を排除し、その分小型化、高信頼性化を図っている。 - デル・コンピュータ社
のアプライアンスサーバ PowerApp.web / PowerApp.cache
PCサーバ大手もアプライアンスサーバの販売を始めた。これはWWW サーバとキャッシュサーバ。 - Maxtor
社のファイルサーバアプライアンス MaxAttach
ネットワークに接続するだけで使えるファイルサーバ。日本では日商エレクトロニクスやニューテックが取り扱っている。 - Oracle 社の
RDBMS アプライアンス Oracle8i Appliance
OS 部分も含まれていて、PC サーバと Oracle8i Appliance だけで RDBMS が使えるようになる。