の文化だとよく言われる。たとえば絵画。 西洋のものは白いキャンバスがなくなるように絵の具を塗り重ねるが、 日本の絵は、絵柄と何も描かれない空間の妙を楽しむものが多い。 能も「間(ま)」という空(くう)ではない一呼吸の「静」と、一瞬の鼓の「動」に感動をおぼえる。
俳句などもそういった引き算の美学の上に成り立つ文化だが、最近ケータイでメイルを書くときの なんともわずらわしいテンキー入力のおかげで、無意識のうちに伝えたいことを最小限の文字数で表現する 俳句的センスを問われている気がする。ポケベルから発した女子高生の省略言葉も 意外と日本人らしい行いなのかもしれない。
そんなことを考えていくと、いわゆるCM(コマーシャルメッセージ)、CF(コマーシャルフィルム)で、 本来プレゼンテーションが得意ではない国民だと言われる日本のものが なぜ他の国に比べてクオリティが高いのかという答えがそこにあるように思えてくる。 アメリカで作られた延々同じ事を繰り返すCMが最近深夜の時間帯に放映されていることが多い。 興味本位で見ることはあるが、ほとんど私の周りでは『くどい』という感想を持っているようだ。 わずか15秒、30秒で伝えたいことを表現する素地が実は多くの日本人にすでに備わっている。
町の工場の職人さん
たちが自分たちの 製品のCMを自ら作るイベントが東京にある荒川・板橋・北・足立の4区共催で行われ、 先日そのCMの発表会を兼ねたフォーラム 「第8回都市型工業フォーラム」が開催された。 第8回のテーマは、「情報の創造的活用」として、「よいものをつくる」にプラス「伝える」技術を ひとりひとりが身に付けていこうというものだ。
都内ホテルの大宴会場に整然と並べられた椅子席も満席となり、立ち見となってしまった。 このイベントの担当者のひとりである、荒川区地域振興部の北川氏はいう。
「もちろん、中小企業がテレビで実際にCMを流すことはないと思うが、 それを製作する過程こそが重要。 受け手がどう受け取るのか、誰に対して発信しているのか、 どうすれば製品が良く見え、印象に残るかなどについて、 発信する企業がCM製作を通じて、しっかりと認識してほしい というのが四区担当者が考えたねらいです。」
昨年CM製作の募集
を行ったところ、予想を大きく上回る37社からの申し込みがあった。 抽選により、18社の参加企業を決定し、CMづくりを体験した。 そこで出来上がったものはみなそれぞれに個性があり、すばらしいものとなった。 このイベントを企画した者のひとりである私も正直出来栄えには驚いた。
現在その 手作りCMムービーを公開中なので是非ご覧頂きたい。そして願わくばその町の 職人さんたちに声援を送ってほしい(下記のTakeITEasy宛でも結構です)。
さて、つぎはインターネットによる販路の実現だな!
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