モバイラーの憂鬱

私はモバイラーである。モバイラーを自認する私の欠かせない持ち物は、 何をさておきノート PC と携帯電話。 他に何枚かの
PCMCIA カードと数本のケーブル類といったところが、 私の主要なモバイルツールである。
モバイラーである私の最大の悩みは、何と言ってもモバイル機器のセキュリティ確保にある。
セキュリティといっても、昨今話題のネットワーク・セキュリティではない。 なぜならモバイル機器の場合は、
ネットワーク・セキュリティよりもむしろ物理的なセキュリティ事故の方が深刻なのだから。

落としたらどうしよう!!

モバイル機器を持ち歩いていて、最大のリスクは紛失であろう。 もちろん外に持ち歩かなければ良いのだが、なかなかそうもいかない。
そのため、手放しにくくする工夫としてリュックに入れて持ち歩くようにしている。 朝夕のラッシュアワーなどは、他の人の迷惑になるので、
背負うのではなく手に持つことになるが、 それでも肩掛けカバンよりは手放す機会が少なくて忘れっぽい私も安心である。
また電車の座席に腰掛けるときには、網棚には決して乗せず、 必ず膝の上に置く。

盗られたらどうしよう!!

紛失の次に怖いのが盗難である。腕力には自信がないので、 強盗を防げるとは思えないが、
せめてちょっとした油断で盗まれるといったリスクは少なくしたい。 移動中の盗難は先に述べたリュックでかなり防止できると思うが、
不特定多数の人が出入りするセミナー会場などで席を立つ場合は、
それなりの工夫が必要であろう。そうした際にはセキュリティスロットが活用できる。

セキュリティスロットの絵私が使っているワイヤーの絵

セキュリティスロットは、ノートPC の横や裏に空いている 7mm × 3mm 程度の穴である。
そこに市販のワイヤーと鍵をつないで盗難を防止できる仕掛けである。 もちろん巨大なワイヤーカッターには対抗できないだろうが、
そんな目立つ道具をセミナー会場に持ち込む泥棒がいるとは考えられないし、 国内ならこれで十分な防犯対策になるのではと考えている。
みなさんのノートPC にも付いていると思うので、 まだご存じでない方は是非とも確認して欲しい。

ハードディスクには危険が一杯

最近のノートPC は、自分でハードディスクを交換するユーザが増えたためか、 簡単に内蔵ディスクを外せるような工夫がされている。
中には、10円玉一枚で取り出せる機種もある。 確かにとても使い易い反面、
逆に内蔵ディスクを盗まれるという歓迎すべからざるリスクも増えた。

ハードディスクを盗まれると、金銭的にももちろん痛いけれど、 それよりセキュリティ上とても重要な情報が盗まれることとなり、
事態は本体の盗難と同様に深刻である。

ハードディスクの守り方

ハードディスク自体にパスワードでロックをかけられる機種を用意しているメーカもある。
ロックをかけておくと、盗んだディスクを他のPCに入れても、 パスワードが破られない限り内容を見ることはできないらしい。
「らしい」という意味は、詳しい仕組みを私は知らないので、 どの程度の強度があるのかを評価できないためである。
ハードディスクの盗難は、ノートPCの構造自体の問題なので、 残念ながら個人レベルではなかなか対処しにくい。
より安全性を求めるのであれば、 重要なファイルをすべて暗号化しておくのも一策である。

もう一つ忘れてならないのは、ハードディスクの廃棄方法である。 廃棄前にフォーマットする程度のことは多くの会社でやられている。
しかし、フォーマット済みディスクからフォーマット前のデータを盗み出す技術も存在しており、
その程度の対策では十分とは言えない場合もある。

物理的に破壊して二度と読めないようにすれば良いのだが、 そうは言っても筐体が「堅い」のでなかなか骨が折れる。
米国などでは、二度と読み出せないようにする特殊なフォーマットも研究されているが、
一般庶民は果たしてどうしたものか。頭が痛い問題である。

こんなのあったらいいな

その昔、迷子ロケータという名前の商品があったと思うが、 迷 “ノートPC”
ロケータを誰かが開発してくれたら是非とも使ってみたい。 仕組みとしては、いくつか考えられる。 例えば、ノートPC
に送信機をつけ、ユーザが受信機を持ち歩く。 ノートPC (送信機) とユーザ (受信機)
がある距離以上に離れたら警報ブザーが鳴るといった仕掛けである。

他にも、ノートPC に小型PHSを組込んで、 「いまどこサービス (NTT DoCoMo)」 を利用しておおよその位置を検出するといった方法もできるだろう。
むしろ、機密情報の漏洩という最悪の事態を避けるためには、
位置検出よりも遠隔からハードディスクの内容をすべて破壊できる方が嬉しいかもしれない。
誤って破壊したり、電池切れや、電波が届かないなどの問題があるので完全とはいえないが、 それでも何もないよりはましであろう。

さて、私自身の経験を通じたいくつかの (非ネットワーク)
セキュリティ対策をご紹介してきたが、もちろん紛失・盗難がリスクのすべてではないし、 適用できる対策をすべてご紹介できた訳でもない。
実際、私自身も他にいくつかの対策を施している。 それらについては、機会があったら再びご紹介することとしたい。