スタジオ型ミュージアムは楽しい

自分自身がコンテンツ

になったり、自分の感性でコンテンツをつくり出していくことはとても楽しい。 先月アメリカ西海岸にできた2つの新しいミュージアムに行って来た。 ひとつは、シリコンバレーで有名なサンノゼ市内の The Tech(左)である。 もうひとつは、サンフランシスコ市内にできたばかりの ZEUM(右)である。


The Techはモデリングやエディティング

スタジオだらけであった。全体としては、半導体やコンピュータ、通信をメインテーマ とした、いわゆるサイエンス・ミュージアムなのであるが、


モニタ上で自分の好きな形に自転車をデザインして、3Dモデルで見たり、 カラープリントで持ち帰ることもできる。ジェットコースターをコンピュータ 上で設計して、VRシミュレータで体験するという仕掛けも面白かった。
また、自分の顔の形状と写真をレーザデジタイザによってぐるりと取り込んで、 モニタ上で3D処理をして楽しんだり、
撮影した自分の映像をビデオ編集ブースで編集したり、 自分の顔の写真とひつじを合成したり、 通路ではおもむろにロボット製作教室が開催されていた。


ZEUMは撮影や録音、編集

などのスタジオが用意されている。ZEUMは、サンフランシスコ市内 の東側の再開発地区にスケートリンクやメリーゴーラウンドとともに 新しく建設、整備されたTeens向けスタジオである。

「プロダクション・スタジオ」と名付けられたフロアでは、 決められた時間内でテレビ番組を制作するというロールプレイング・ ゲーム形式の学習が行われ、とても楽しそうである。撮影スタジオには、 クロマキー合成用のブルーバック・ステージがあり、スタッフが 丁寧に、楽しく指導してくれるのだ。


撮影する時にはコントロール卓からディレクタ役の少年が「アクション!!」 とキューを出している。 その隣のコーナーにはナレーションを録音したり、効果音を作るサウンドスタジオ、 さらにその先のコーナーには、3D-CGロゴを作るCGスタジオといった充実ぶりだ。
ちょっとその様子をQuickTime Movieで見てみよう。
「アーティスト・スタジオ」では、クレイ(粘土)やボール紙で作った キャラクターやセットを少しずつ動かしながらコマ録りしていく クレイ・アニメーションを自ら作って楽しむことができる。
なかなかの力作のメイキングとその作品をQuickTime Movieで見てみよう。

いまや誰もがカメラマンでありディレクタ

になれる時代である。もちろん、質の高いコンテンツを作る場合には、 やはりプロフェッショナルに任せるべきなのだが、手作りの作品も 味わいがあって良いものだ。

いま私たちは、いくつかの自治体が共同で主催する、 製造業者間の情報交換のためのフォーラムのコーディネート役をしている。 このフォーラム自体は今年ですでに8年目となるのだが、 私たちがお手伝いをするのは今回が初めてのこと。 今年は、製造業者の方々自身で自社のCMを手作りしましょう、ということになり、 来年2月に行う作品コンテストに向けて皆さん気合いが入ってきた。

インターネット内で放映するわずか30秒間のCMだが、 「言いたいこと」「伝えたいこと」をまとめ、表現し、 視た人の反応をフィードバックしていくことは とても意味があることだと思う。 今回のアメリカ西海岸の2つのミュージアムを見てきて、 ますます「スタジオ型」の施設の可能性を感じている。



参照リンク

The Tech

ZEUM