インターネットショップは安全か

本格化するインターネットショッピング

インターネットショッピングも、いよいよ流通チャネルの一つとしての地位を固めつつあるようだ。同じ通販でもカタログショッピング等のチャネルでは販売売上が低下するなか、インターネットショッピングは着実にその売上を伸ばしている。
MIN第3回アンケート「インターネット・ショッピングに関するアンケート」
の結果等を見ても、1998年が日本でインターネットショッピングが本格的に浸透し始めた分岐点であったことを伺わせる。消費が堅調な米国の場合、なお話の景気は良い。

Forrester Research, Inc.

の予測によると、企業間取引を含めたインターネット取引は、全米で1998年実績が430億ドルに対して、2003年には1.3兆ドルに達するという。

影を落とすインターネット犯罪

一方、最近になってインターネットの影の部分を映し出すような話題が多くなっているのは気になる。不正アクセス、猥褻(わいせつ)ホームページの氾濫といった所からインターネット上の不正取引まで、ネットワーク犯罪の内容も多様化し始めている。インターネットショッピングを巡るトラブルも増大傾向にあるようだ。マスコミのように必要以上にその驚異を書き立てるのは筆者の本意ではないけれども、結局、そうした”トラブルの記憶”が、萌芽したインターネットショッピングに消費者の背を向けさせる懸念がある以上、きちんとした議論は必要だ。現状の把握と情報公開を進め、なによりインターネット上にも厳しい「消費者の目」を光らせることが重要だろう。インターネット社会の賢い消費者は、インターネットショップを上手く使いこなすだけでなく、トラブルに巻き込まれたら時を移さずしかるべき所に申し出る姿勢を持つことも必要だ。

なお悪質化する犯罪

現状、インターネットショッピングの事故率は実は通常のクレジットカードのそれよりもかなり低い。例えばインターネット上にクレジットカード番号を流しても、現状のセキュリティ技術ではほぼその盗聴や改竄等は避けることができる。ただ、悪質な犯罪者が徘徊し始めると、思わぬインターネット社会の弱みが露呈のは事実である。米国では、クレジットカード番号を受取った業者が、その情報をインターネット上で売買し被害を急増させる、といった犯罪の報告が少なくない。「買ったものが届かない」といった消費者から見える犯罪ではなく、知らず知らずに被害者になっている、というこの類の犯罪はかなりタチが悪いを言わざる負えない。ほぼ標準プラットフォームとして定着してきたSET(Secure
Electronic
Transaction)という決済プロトコルを使えば、クレジットカード番号は直接業者には渡らないのでこうした問題は技術的に回避できる。しかし、そうでない場合は、「偽造カードを作成するためにカード情報の取得のみを目的とした詐欺的な仮想店舗に対しては、クレジット会社は有効な手段を講ずることが難しい。このため、クレジット会社が推奨する加盟店を利用するなど、業界が用意する安全対策を積極的に活用するといった消費者の自衛に期待する部分が大きい」、というのが
(社)日本クレジット産業協会
の見解だ。

悪質な犯罪が生み出すネットワーク上の壁

インターネットショッピングといった電子商取引は、とにかく過度な規制は避け、グローバルかつ自由に行うべき、というのは一貫した米国政府の主張だ。グローバルな取引が消費者にもたらす便益を考えれば極めてもっともな意見であるが、悪質なネットワーク犯罪が頻発する米国との間に、厳然とした壁があるように思えるのは皮肉なことだ。クレジットカード番号を流した場合に、米国ではトラブルに巻き込まれる可能性が高く、その際の対処方法も見えないため、「取り合えずそうした取引は行わないのが賢明」というある専門の弁護士の意見には、筆者自身も取り敢えず従っておきたくなる。グローバルなインターネットショッピングの市場には、過剰な規制は必要ないかもしれないが、少なくとも悪質な犯罪者に対する監視の目と、消費者のためのある程度のセーフティネットぐらいは、共通に整備されていることは必要だ。