集計の手間もかからず、手軽に行えるWebアンケート。 筆者は、アンケートを実施する側になることも、回答者になることもある。 ついこの間、回答しなければいけなかったアンケートでは、回答こそしたものの、 (あまり大きな声では言えないのだが、、)実質的には途中でギブアップしてしまった。 あまりのラジオボタンの多さに目が回ってしまって。
アンケートに答える動機
アンケートに答えるときの動機は、おおざっぱに言って 「何かもらえる」あるいは「何かの役に立つ」の2つが主なものだと思う。 前者はとても分かりやすくて、 アンケートへの協力に対して、図書券などの謝礼を受け取れたり、 抽選でプレゼントが当たったりするものだ。 また、アンケート会社や調査会社に登録して、 ポイントを貯めて商品に替えたりなど、ちょっとしたお小遣い稼ぎや アルバイト感覚で頻繁にアンケートに回答している人もいるだろう。
後者は、直接何かをもらえるわけではないが、 自分がアンケートに回答することによって、 将来的に、自分と関わりのある何かが改善されたり作り出されたりして、 還元される(であろう)というものだ。 例えば、職場環境に関するアンケートに答えるときは、 実態を伝えるとともにそれを良いものにしたいと思っているし、 ある製品やサービスに関するアンケートに協力するのは、 よりよい製品やサービスの提供を望んでいるからだろう。
これらの動機−というより、もう少し平たく言ってしまえば見返り− とアンケートの量が必ずしもバランスがとれているとは言えないと思うことがしばしばある。Webページの表示なら、8秒ルール
Webページで、ユーザが表示させたい情報をクリックしてから表示されるまでの時間の妥当性を示すのに、 “*秒ルール”という言い方がある。 おそらく最も有名なのは“8秒ルール”で、 元々、ECサイトにおいて顧客が購入を途中でやめてしまわないためには、 何秒以内に表示されるページを提供しなければいけないかというリサーチから来た数値だ。 このリサーチは、通信速度が遅かったころの話なので、 現在の環境においては、少なくとも4〜5秒でなければとも言われる。 (一方で、最近のWebコンテンツはブロードバンドが前提なので、 モバイル環境等では8秒以内にも表示できないことが多い。)
では、Webアンケートでは何問までなら回答者は途中で挫けないか。 という指標も同じようにありそうな気がしたのだが、見つけることができなかった。 一つには、単一選択、複数選択、自由入力などの回答形式やもちろん内容によって負担が異なってくるので、 一概に何問までとは言えないという点がある。 しかし、それよりも、回答者側の視点に立っていないからという点が大きいのではと思う。 上記で紹介した8秒ルールは、一見ユーザの立場に立っているようだがそうではなく、 ECサイトにおいて顧客を失わないためにという観点から生まれたものであった。 Webアンケートでは、回答者を失ったからといって直接的なダメージがないからである。
エンドユーザから見ると
目的が分かること、量が分かることは、最低限であり、 これらが適切でなくてはならない。 さらに、Webで気をつけなくてはいけないこととして、 フォームの操作は基本的に難しいことにも注意が必要だ。 筆者は、操作の点において問題はないが、 アンケートページが表示されてスクロールバーが小さくなっていくのを見ると、 まずそこでうんざりしてしまう。 1ページで終わるように見せかけて、次のページに続いたときはもっと悪い。 8秒ルールやマジカルナンバーセブンに絡めたわけではないが、 感覚的には、7〜8問を超えるあたりから少し大変だなという気分になり、 12〜3問あたりで内容への集中力を失うような気がしている。
最後に、アンケートをとる立場になったとき、 是非とも作ったアンケートは自分で真剣にやってみて欲しい。 どのくらい大変か、どのくらい時間がかかるものなのか。 自分でも辛くなる量の設問に回答してもらおうと思っていなかったか。 内容が専門的なものや特殊なものは例外として、 より多くの貴重な意見を取り入れるためには、設問数は抑えるべきだ。 あなたは、何問程度までならストレスなく答えることができそうですか。 それは人より多いと思いますか、少ないと思いますか。 何問が適切か、アンケートをやったらおもしろいかもしれない。
皆様、今年のお仕事はあと何日でしょうか。もうすっかりお休み(気分)の方も、 まだまだ今週いっぱい…の方も、どなたもよいお年をお迎え下さい。