買ってからでは遅すぎる−評価サイトの充実を−

消費者主導の製品評価サイトが出てきた。 買う前に見ておきたいインターネットならでは企画として今後が期待される。

高機能製品はわかりにくい

少し前、某雑誌社主宰のデジタル家電に関する座談会に出席した。 テーマは「最近デジタル家電という言葉をよく耳にし、 多くの製品がデジタル化されているが 一体これらはいつどれを買ったらいいのか?」 という話であった。 「いつ」ということでは、製品は常に進歩するのだからいつ買っても良いという 急進派から、流れをみて必要な時に買えば良いという私など静観派 もあり結論は出なかった。 しかし、「どれを」という話では一致した意見が挙げられた。

まず、高機能複雑化した最近の家電はすぐにはどれがよいかわからない点。 例えば、洗濯機一つとっても、遠心力だの、超音波だのという 謳い文句からは実際どこまで汚れが落ちるのか、静かなのかは分からない。 別の例では、ある車はDVDナビを搭載するとナビ動作中にCDステレオの音が聞けないが、 CDステレオをCDチェンジャーにするとこれが可能となる。 など、カタログやディーラーの説明からはとても気づかないことがある。

製品評価サイト出現

そこで、新製品の購入にあたり既購入者の評価を載せるサイトがあれば便利だという話題となった。 これまで、 レストラン評書評 などを載せるサイトはあったが、 最近は、PTP などいくつかの製品評価を載せるサイトが出てきた。 CMが製品の良い面だけを謳うのに対し、これら評価サイトは 善悪両面のコメントを載せているので参考になる。 小売店も、消費者が悪い面も分かった上で納得して買ってくれるのは 買い安心感を与えることに一役買う、とみているようだ。

サイトに掲載されている製品はデジタル家電に偏っている気がするが、 これらサイトがもう少し市民権を得られれば、 白物家電その他あらゆる製品・サービスの評価につながり 有益度も増すのではなかろうか? 一方、消費者の要望の多いものを製品化するサイト たのみこむ がある。 こちらはややマニアックな感があるが、 製品評価の延長としてこのような思想も取り入れられれば メーカもより消費者ニーズにあった製品開発が可能かもしれない。

充実は消費者参加の一歩から

評価サイトがメーカから独立してあくまで消費者サイドに立ったものであること、 一定以上の評価の量と質を維持することが必要である。 こに対し、評価サイトはどうやって成り立っているのだろう? 公的機関を除き、「サイトの広告収入」、「コメンテーターに抽選で賞品を出す」、 「メーカにマーケティングレポートを売る」 というのが一般的なようだ。 しかし、消費者がコメントを出す一番のモチベーションは、 「自分のとっておきの情報/失敗を人にも伝えたい」 という社会参加欲求ではなかろうか? 質に関して例えばPTPでは「批評の質が低く不毛なコメントを自浄するため、 その批評文自体の良し悪しを評価する一般投票ができる仕組みを備えている」という。

いずれにせよ、評価サイトは、 環境調査計算機資源提供 などのボランティアと共に 双方向メディアとしてのインターネットならでは仕組みである。 多品種少量生産の時代、さらなる評価サイトの充実が期待されるが、 それには参加することから始める必要がありそうだ。